まず何よりも頭に入れておいてもらいたいのは、探偵の案件成功は運とお金次第だという事です。
勿論成果ゼロという事は滅多にありませんが、逆に100%疑問点が改善したという事もなかなか難しいのです。
まあこれは、警察にお願いした時でも同じ事が言えるのですが…。
1. 探偵に強制的な捜査権はない
探偵は警察ではないので、明らかに相手が何かをやっているであろうという確信があっても、家宅捜索や強制連行ができる訳ではありません。
基本的に、見張っている間に何かしらのボロを出すのを待つ形になるので、それがいつ訪れるのかは何ともいえません。
特に浮気調査でよくあるケースなのですが、相手も毎日のように浮気している訳ではありません。
浮気が事実であってもその一回で終わったり、会うペースは3か月に1回程度だったりと様々です。
探偵に依頼した期間中に、相手がアクションを起こすのかどうかは分からないのです。
2. 探偵に払う費用はほぼ経費
しかし待ちが分かっていても、依頼である以上探偵はその瞬間を押さえるために見張りをしたり、別方面からも証拠集めをします。
誠実な仕事をしてくれる探偵ほど、ある程度の経費の説明の上、続けるかどうかを何度も聞いてくれます。
浮気調査等は一度始めると引っ込みがつかないかもしれませんが、ここで意地になって押し引きを間違えると費用がとんでもない事になります。
探偵費用のメインは、待ち時間に対する拘束費用と調査費(交通費)です。
意外に探偵自身の取り分は少なく、調査にかかる経費の方が大きいのです。
中々予測がつかないのが探偵費用ではありますが、依頼する時は予算に余裕を持ちましょう。
たまに相手を訴えて勝った費用で払うという交渉をする方もいますが、当然ながらそんな事は通りません。
思っている以上に、個人が個人を雇うのにはお金が必要なのです。
今はインターネットでいくらでも詳細が見れるので、頼む前に確認しておきましょう。
確実な事は言えませんが、浮気調査でいうなら10万円〜100万円の開きがあります。
これはそのまま拘束日数の計算であり、どの探偵事務所もそれほど変わりはありません。
目的達成まで何日掛かるかは、もう完全に運だと考えましょう。
正確にいうと運ではなく案件次第なのですが、依頼人も探偵も着手するまでは分からないので運になってしまうのです。
3. 探偵は前、警察は後
依頼のタイミングですが、何かが起こりそうだと考えて依頼をするのであれば探偵に、既に被害に合った後に対処をお願いするなら警察を頼る方が簡単でしょう。
例えばストーカー被害の場合、何となく視線を感じる、尾行されているかもしれないという段階なら探偵を頼りましょう。
この時点では確たる証拠がないので、警察に依頼しても動いてもらえるかどうかは何ともいえません。
既に脅迫メールや相手からのアクションがある場合、警察を頼りましょう。
証拠さえあれば、警察はそれを元に相手に警告を出すことができます。
それでも止まらないようであれば、逮捕案件(刑事事件)になります。
費用は掛かりますが、ある程度疑いに確信がある場合は探偵に依頼して証拠を押さえて、その後に警察という流れも可能です。
ストーカー被害に関しては、これでも大分昔よりはマシになっています。
警察が助けられることが増えたので、泣き寝入りの件数はかなり減っているのです。
4. 自身の身を守るには
探偵はボディーガードではありません。
これはドラマや漫画の影響ともいえるのですが、あくまで探偵が対処するのは頼まれた案件を調べる事です。
全く頼りにならない訳ではありません。
案件に合ったスタッフが担当するので、狙われる危険性のあるタイプであれば守ってはくれるでしょう。
しかし、それも24時間付きっきりではないのです。
護身対策は、探偵費用には含まれてない事を忘れないでください。
5. 良い探偵とは
調査力と思われるかもしれませんが、どちらかというと細かく確認してくれる探偵が良い探偵です。
人探しの依頼等で考えると分かりやすいのですが、誰が探しても見つからない人は見つかりません。
痕跡は辿れます。
過去の職場や目撃証言、最後に見た人等は簡単に見つかるでしょう。
今の時代、痕跡無しで生きていく事はできません。
しかし肝心の本人が見つかるかどうかとなると、こればかりは腕の問題ではなく案件の問題です。
それこそ警察が全力で探しても見つからない人は見つからないので、どうしても諦める必要は出てくるのです。
経験豊富な探偵は正直です。
これ以上は難しいという所まで来ると、誠実にその旨を告げてくれます。
勿論依頼続行という形を依頼人が取れば調査はしますが、無理に引き延ばさないのも良い探偵の証明です。
誰でもできる依頼はあります。
しかし、誰にもできない依頼も存在するのです。
6. 最後に判断するのは依頼人
素行調査や職場調査、資産調査等はほぼ確実に結果が出ます。
逆に浮気調査は、勘違いを含み結果が出るかどうかは案件次第です。
そして人探しは、誰がどうやっても駄目な場合もあります。
それを踏まえて、探偵に依頼をする際は頭の片隅で引き際を常に考えておきましょう。