人探しのほとんどの調査は、まずは警察に依頼するのが一般的です。しかし警察は事件性がなければ調査を行うことはできません。そのため警察に頼めることは限られています。 その一方で探偵の場合は警察が行うことのできない仕事であっても、それを引き受けることができます。 たとえば長年会っていない分かれた元配偶者を探してほしいといったような依頼でも、探偵は引き受けてくれます。 恐らくこうしたメリットを考慮し、探偵に調査を依頼したいと感じたことのある人がおられることでしょう。しかし探偵にも関与できない分野があり、その点をしっかりと考慮しておく必要があります。 また探偵に支払う料金システムに関する情報を入手し、それから仕事を依頼するかどうかを決定したいという人もおられます。 ではこれら二つの点について見ていくことにしましょう。恐らくこの二つを理解していれば、探偵という職業がより身近なものに感じられるはずです。
1. 「行えないこと」
探偵に関する法律が存在しますが、その中にはこの職業がどのようなものであるのかがはっきりと示されています。
探偵業法第2条第1項によると、探偵業務とは他人の依頼を受け、それに関係する情報を、聞き込み、尾行、そして張り込みなどによって収集し、依頼者に提供するというものです。
この法律に基づき、探偵は様々な手段を用いて必要な情報を得ることに努めます
。しかしこのときに探偵が関与してはならないこともいくつかあります。
まず刑事事件への介入です。よくドラマやアニメなどでは探偵が大きな事件を解決し、犯人を逮捕するといったストーリーを目にすることがあります。
そのため中にはある事件を解決するために探偵を雇いたいと考えておられる人がいるかもしれません。しかし犯人を逮捕できる権限は警察にしか与えられていません。
そのため探偵が事件に関わるなら問題が大きくなったり、探偵の身を危険にさらすことになりかねないのです。
もちろん頭脳明晰で慎重に行動してくれる探偵もたくさんいますが、事件解決に向けての仕事以来は受け入れられません。
また探偵は潜入調査を行うことも許されていません。これはスパイ活動に順ずる行為となり、法令違反として受け止められます。
このような活動で得た情報には守秘義務が課せられるために、依頼者に伝えることは罪となるのです。
また警察が行うような家宅捜査は、探偵が行うことはありません。探偵にはその権限がないために、誰かの家に許可なしで侵入することは罪となります。
ここまでで探偵が調査の過程で行えないことを考えることができました。上記で述べたことを除いた仕方で、探偵は依頼人が必要とする情報取集に努めるのです。
では次に探偵に支払う料金システムについて見ていきましょう。
2. 「設定料金と探偵の人数」
多くの場合、どのような調査にはいくらの費用が必要となるといった情報が依頼人に提供されます。
それに基づいて支払う料金が決定されるわけですが、この場合調査に何人の探偵が関係したかが大きなポイントとなります。
たとえば人探しに二人の探偵が調査に当たった場合、料金は人探し料金に調査を行った探偵の数が掛けられ、人探し料金×2となります。
そのため調査が難しい場合にはたくさんの探偵がそれに加わるために、必然的に料金は高くなります。
尚且つ調査に必要となったその他の費用が加算されることもあります。たとえば車を使って尾行を行った場合、ガソリン代がそれに加算されることがあります。
また張り込みを行うためにアパートを借りた場合、そのための家賃を請求されることもあります。
こうした料金の発生は探偵事務所によって異なるために、事前に尋ねておくことは必須です。
また探偵事務所の中には調査が成功したときにのみ報酬を受け取るというシステムを採用しているところがあります。
このような場合、結果が得られない調査に対しては費用を支払う必要がないために、調査費用を節約できるという見方もあります。
しかし調査が成功したときの報酬が高めに設定されていることもあるために、この点は事前にしっかりと尋ねておくことが必要です。
3. 「支払時期」
探偵に依頼した調査がすぐに終了することもあれば、当然のことながら長引くこともあります。
そうしたことを考慮し、探偵は調査の一区切りごとに依頼人の意見を尋ねる場を設けます。
中にはこの時点で調査の打ち切りを求める依頼人もいます。
そして一般的には、このような話し合いがもたれるごとに料金を支払います。
もちろん一括払いで調査費用を支払うシステムを採用している探偵事務所もありますが、費用が高くなった場合は一括払いは容易ではありません。
そのため調査費用が最終的にいくらになるのかが心配だという人は、探偵に今現在の調査費用がいくらくらいなのかを、定期的に尋ねることができます。
探偵が行える仕事と料金システムを理解することは、探偵に仕事を依頼するうえでの重要なポイントです。
これらをしっかりと思いに留めておけば、比較的容易に探偵への仕事依頼ができるはずです。